generate and test

いぜん、Prolog演習というもので、「generate and test」という標語を知って、それってそんなにすごいのかなぁ、短く書ける代わりに遅いだけじゃないか、と思った。なので、そんなに偉そうに掲げる標語じゃないだろうと感じている。

プラトンにメノンという書き物がある。メノンは模範的生徒で、適度に間違えるし、適度にものわかりがよく、適度に質問してくる。彼を相手にソクラテスが幾何学を教える様子が描かれている。で、そのなかで、

メノン: おおソクラテス、あなたは知らないことをどうやって探究しますか。あなたは探究の手立てとして何を持ち出されるのですか、そしてもし、望んでいることを見つけたとしても、どうやって、それが知らなかったということだということがわかるのですか。

何を知りたいのか知っているなら、知りたいことはもう知っているんだからいいじゃないかという、なぞである。プラトンのパペットマペットたるソクラテスは、前世で知ってたけど忘れてて、思い出すのだ、という答えをするのであるけれども、前世に頼らず答えるなら、ここでgenerate and testである。

問題を述べるということは、あるクラスを判定する「テスト」と、記号構造の「ジェネレータ」を示すことです。

と、いうことが、第10回のチューリング賞の受賞講演に書いてあった(メノンもそこから)。それを夢見つつ、どう上手にやると、動くようになるか、と考えていたらしい。ふーむ。計算ってそんなものかしら。

任意の

中学生のとき同級生に「任意の」がわからんと言われて、「実はここに書いてあるのは挑戦状で、好きなようになんか選んでみろと、どう選んでもなんとかしてやると、そう書いてあるのだ」と説明した。当時気づいていなかったことは、直観主義論理ならその調子で進んでいけるんだけど、古典論理だと一筋縄ではいかないぞということであった。

めんどくさいしつもん

どうしてなにもないんじゃなくてなにかがあるの、と言われると、どっちでもいいんじゃんと思ってしまう。なにかあるか、なにもないか、どっちでもないか、とにかくなにか決めると、それなりに「ある」という言葉の意味が決まる。なにもないのもいいけど、なんでもあるというのもいいね。あるいは先に、「ある」という言葉の意味を決めておいてくれたら、答えられるしつもんになるかもしれない。めんどくさいことにかわりはないかもしれない。むかしのひとが存在の一義性について述べたというはなしがあるけど、よくわかっていない。

めんどくささ

「面倒くさい」のナチュラル・セマンティクス — Cahier no.9 (neuf)

こう、すみからすみまで面倒くさいと、もっと面倒くさくしてやろうという野心が湧いて、面倒くさくなくなってしまう。もったいないことだ。もったいなくなるほど面倒くさい。

それでは、喜怒哀楽や愛情や生き甲斐といった人間らしい「気持ち」はまったくと言っていいほど現実味をもって体験できないのに、「面倒くさい」という気分 だけは、やることなすことのすべて、感覚の届く範囲の隅々にまで深く染み渡っているような気がするのはどうしてだろうか。[をつけたのはぴらぴら、と書いてるのもぴらぴら]

この「のに」を「から」に変えると答えになってしまう。この閉じた感じがすばらしい。

英語で言うのが難しいはなし。たしかにtiresomeとかbothersomeとかは、なんか違うような気がするんだけれど、そういえば、tediousというのもあって、こいつは「面倒くさい」に近い気がする。積極的に疲れさせてくる感じは弱まっている。

「面倒くさい」というのはどういうことなのかな、すこし言い替えてみよう。「いとはし」「うるさし」「ことむつかし」「ところせし」「ものくさし」「わづらはし」ん、「ものくさし」。そういえば「ものぐさ」っていうなぁ。「もの」って「なんとなく」だから、「なんとなくやだ」か。

sheaf

用があって、位相空間上のsheafというものの定義を読んだら、こんなに使い道が多そうなものもを知らずに過ごしてきたなんて、損なことであったと思った。遊びがいがありそうだ、というか、作りかけてたものの完成形が置いてあったというか。

思いかえせば算数は難しかった

数学は易し、算数は難し – 書評 – やりなおし算数道場

途中で√を使いたくなるような図形の問題を等積変形の繰り返しで解いたり、離れたところをくっつけて解いたり、マルコフ過程的にで行列をかけていって済ませたいような問題をad hocな知恵で解いたりする。問題の数字を1増やすとどの数がどのくらい増えるか、なんてことも考える。よほどアルゴリズミック。好きな長方形ってことは、これ正方形でも同じ問題だよね、なんてことも考える、まるでparametricity。

小学生に解けることになっている問題のクラスを定義するのは難しそう。

理想の生活

どういう生活が理想なのか考えると、なにをしておけばいいのかがわかるはずである。ちなみに老後については、十分に資源を残すことだけ考慮して、あとはあまり考えない。これはどうなるかまったくわからない。

毎日決まった時間になにか食べたい。水は飲みたい。たくさん読みたい。読むものは英語でも日本語でもプログラミング言語でもなんでもいい。なにか考えていたい。考え込んでいる間にぽっくりいけたらよいと思う。これだけだと刑務所でもよさそうだけど、刑務所はいやだ(悪いことをしなくても入れるなら考えちゃうけど)。他に希望はなんだろう。あ、できればひなたぼっこしたい。

他の人相手だと、んー。話が通じなくてごたごたしているのを、すっきりさせるのは楽しい。それとはべつに、通じるか通じないか、すれすれの話をするのも楽しい。

ロールスロイス

例によってEconomistを読んでいたら、Britain’s lonely high-flierという記事を見つけた。ロールスロイスがイギリスの製造業の数少ない成功例になっているという。特によいのが、飛行機のジェットエンジンを売るだけじゃなくて(実入りのいい)サービスもつけ、しかもサービスだけ他の業者にとられる心配がほとんどない状況をつくった: ロールスロイスは、世界中で動いているエンジンをリアルタイムで監視して、保守が必要かどうか判断している。たとえば飛行機に落雷があってエンジンに不調があっても、点検が必要か否かを、飛んでいるうちに把握してしまう。

常時監視って、いまは高価な医療機器とか飛行機のエンジンとかだけど、たぶん自動車にも付くんだろうなー。何千台か自転車の位置がわかるようにしておくと、好きなところに乗り捨てて他の人が拾う形式で共有できそうだし。あちこちでがんばってそう。なにに困るのかなー。なにかできることあるかなー。